社会保険庁が年金未払い者に昨年、一括支給した際に源泉所得税を過大に徴収していた問題で、国税庁がこのほど日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)に納税者からの相談受入れなどで協力を要請しました。
社会保険庁の源泉所得税の過大徴収問題とは、年金未払い者に昨年一括支給した際に支給総額を課税価格として源泉所得税を徴収していたというものです。所得税の源泉徴収は、原則として各年ごとに課税価額を計算し徴収しなければならないことになっています。しかも、社会保険庁は昨年だけでなく、過去にも年金を一括支給した人について支給総額を課税価格として源泉所得税を課税していました。
そこで、国税庁は多くの年金生活者から今回の問題について相談が殺到すると予測、日税連に協力を要請しました。その要請の内容は「年金受給者から源泉徴収票が間違っているのではないかとの相談等があった場合には、社会保険庁(社会保険事務所)で確認していただき、誤りがあれば各年分の正しい公的年金等の源泉徴収票を再発行してもらった上で、平成19年分確定申告の手続を行うとともに、必要に応じて平成18年以前分の修正申告又は更正の請求を行うことを説明していただきますようお願いいたします」などとしています。
平成20年度税制改正の目玉となっている「事業承継税制」の根拠法となる「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が、2月5日に閣議決定されました。同法律案は、中小企業の事業承継をスムーズに進めることを目的としているものです。
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」(事業承継円滑化法案)は、事業承継税制の拡充や民法上の遺留分制度による制約への対応を始めとする中小企業の事業承継をスムーズに進めるための総合的な支援策の基礎となるものが盛り込まれたものです。今回の閣議決定を受け、現在開会中の通常国会に間もなく提出されます。
同法律案の施行予定日は、平成20年10月1日とされていて、もし、国会での審議の結果により、その施行日が遅くなった場合のことを想定して、民法の特例と相続税の課税に関する措置については、同法の施行日より遡及適用となることが規定されています。
相続税の課税に関する措置とは、経済産業大臣の認定を受けた非上場中小企業の株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税を納税猶予するというものです。要件としては、雇用確保や5年間事業を継続することなどが平成20年度税制改正関連法案に盛り込まれています。
一方、民法の特例については、一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び経済産業大臣の確認や家庭裁判所の許可といった手続きを経ることを前提に、(1)生前贈与株式を遺留分の対象から除外して、相続に伴う株式分散を未然に防止する(2)生前贈与株式の評価額を予め固定して、後継者の貢献による株式価値上昇分が遺留分減殺請求の対象外とする―という措置が講じられます。そのほか、株式や事業用資産の取得資金、信用力の低下時の運転資金など幅広い資金ニーズに対応した措置も用意されています。


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