政府が1月11日、平成20年度の税制改正要綱を閣議決定しました。これを受け、早くも平成20年度税制改正法案の国会審議の行方が取り沙汰されています。
閣議決定された税制改正要綱には、税収の増収(増税)と減収(減税)の金額が示されていますが、改正が最終的にすべて実行された場合、証券税制の優遇措置や不動産売買に伴う登録免許税の軽減措置の廃止・縮小などにより、平年度ベースで国税が3,600億円、地方税が442億円、計4,042億円の増税となることが示されました。ただし、増税措置は段階的に年度をまたいで実施されるものがあるため、20年度は国・地方で70億円の減税となる見通しです。
同要綱の閣議決定により、税制改正法案の骨子が明らかになったわけですが、問題は、衆議院と参議院で与野党の勢力に違いがある、いわゆるねじれ現象があることから、例年のようにスムーズに法案が年度内に成立するかどうかが懸念されていることです。そのため、財務省の津田廣喜事務次官は記者会見で「税制改正法案で言えば、例えば年度内にこれが成立しないというような事態にもしなりますと、歳入が思ったほど入らないというだけに限らないわけでありまして、経済取引への影響を通じまして、国民生活に混乱が生じる恐れも否定出来ないと考えます」と国会を牽制しました。
また、年度内成立のために財務省では「税制改正の法案で言えば、例年2月の初めぐらいに閣議決定を経て国会に提出しているわけであります。今年の場合は、関係者、法案作成に当たる職員は年末年始の休みも返上して法案の作成作業に今取り組んでおりまして、時期ははっきりまだ決まっておりませんけれども、例年よりは少しでも早く国会に提出をするように全力を挙げているところでございます」と津田事務次官は同じ記者会見で、裏方の激務を紹介して情に訴えました。
首相官邸にある規制改革推進室が、全国規模の規制改革要望に対して各省庁が回答を行ったものへ再検討を要請したことを明らかにしました。その中には、税理士資格の特権的付与の廃止が求められています。
今回、同推進室が各省庁に再検討を要請したのは、昨年10月15日から11月14日までに寄せられた「全国規模の規制改革要望」について、関係省庁が昨年の暮れに回答したものの一部です。
その再検討を要請した改革要望には財務省に対するものもあり、そのなかで税に関するものとしては、全国青年税理士連盟が要望した税理士資格の特権的な付与制度の廃止があります。同連盟の要望の内容は「税理士資格は、国家試験である税理士試験合格による資格取得が、公平・公正であり、弁護士及び公認会計士、税務官公署職員に対する特権的資格付与は即刻、廃止すべきである」としたものでしたが、財務省は全面的に廃止できないと回答してきました。そこで、同連盟はその回答に納得できなかったことから同推進室に不服を申し入れ、再検討要請に至ったわけです。
同連盟が財務省に求めた再意見の内容は、弁護士・公認会計士への資格付与については、司法試験・公認会計士試験も「税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験ではない」とし、税理士試験の受験を重要視していないとしています。また、税務官公署実務経験者に対する資格付与については、「彼らの実務経験がなぜ税理士としての資質を持っていることになるのか」ということと、「税理士を無償独占の名の下に税務官公署の下請機関的に使おうとしているのではないか」などといった質問を投げかけ、再度同制度の廃止を求めています。


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