このほど、政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長)が平成20年度税制改正に関する答申として「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」をまとめました。同答申では、現行の証券優遇税制の廃止を求めているわけですが、それに対して日本証券業協会の安東俊夫会長が意外にも冷静な反応を示しました。
政府税調の今回の答申には、証券優遇税制について「平成20年度税制改正では、税制が市場に歪みを与えることがないよう、昨年度の答申の方向(廃止)に沿って対応すべきである」としています。証券優遇税制とは、上場株式などの配当や譲渡益に対する税率を10%などに軽減したもので、平成15年度税制改正において、当時の景気の落ち込みや株式市場の低迷、金融機関の不良債権問題に対応するために、時限的な市場対策として導入された制度です。
この優遇税制について、政府税調が答申で廃止を求めたことから、誰もが日本証券業協会が猛反発すると思っていました。ところが、11月22日の記者会見で安東会長は「政府税調については、今ご指摘のとおり、昨年と同じように廃止という結論が出たわけだが、我々が議論に直接参加しているわけではないし、まあそういう方向でいったのだなと思っている。今年は例年と違い、政局、その他の問題等でスケジュールがきちんと決まっていない。例年であれば1 2月中旬には与党の大綱が出てくるわけであるが、今年はご承知のとおり、民主党がどのようなことを言ってくるのかということを含めて、極めて流動的だと考えている。要望については、決して楽観するものではないが、それほど悲観的に考えているわけでもないというのが現在の心境である」と落ち着いた表情で記者からの質問に答えました。
国税庁のe‐Taxを利用することで所得税の税額控除が適用できる電子申告控除に対して、一部納税者から不満の声が出ています。
電子申告控除は平成19年度税制改正で創設された制度です。国税庁の電子申告システムe‐Taxを利用して所得税の確定申告を行う人について、平成19年分または平成20年分のいずれか1回だけ、納税額から5,000円の税額控除ができるというもので、電子申告の普及策として大きな期待が寄せられている制度です。
ところが、ここへきて電子申告を行う際のコストの方がその税額控除できる5,000円よりも高くつくケースがあり、納税者の不満を買っています。税額控除できる5,000円という金額は、住民基本台帳カード(ICカード)の発行などに1,000円がかかり、そのICカード内の電子証明書を読み取るために必要なカードリーダーライタの購入に3,000円程度かかることから、その初期投資を回収できる金額として設定されたものです。
しかし、カードリーダーライタには、券面に端子がついているICカードを読み取る接触型と、券面に端子のついていないICカードを読み取る非接触型があり、接触型は3,000円前後で販売されていますが、非接触型は1万円を超えるものばかりなのです。全市町村が券面に端子のついたICカードを発行しているとは限りません。そのため、非接触型のカードリーダーライタを購入しなければならない地域に住んでいる人たちの間で不満の声が出ています。


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