20年ぶりに大幅に改定された税理士職業賠償責任保険が、税理士らの間で好評です。いま契約内容の変更に応じる税理士が相次いでいます。
税理士職業賠償責任保険(税賠保険)とは、顧客の税務申告にあたり優遇規定の適用ミスなどがあって、税理士が顧客から損害賠償を請求されたときにその賠償額を補償する保険です。この保険は1988年に日本税理士会連合会(日税連)が創設したもので、現在全国約27,000の会計事務所が加入しています。
今回の同保険の制度改定は、これまで補償対象外だった「期限後申告」「期限後納付」「過少申告」「過大還付請求」に関する事案を補償対象に加えるという大幅な改定です。つまり、税理士の計算ミスなどで税金を多く納めすぎた場合にのみ、その過大納付分の損害を賠償するというこれまでの補償範囲を広げて、少なく申告したために後で追加納付が発生したときの損害賠償も補償するようにしたわけです。税理士として税金を少なく納めるような指導・業務請負は職業倫理に反することから、過少申告事案などは保険の補償範囲とすることに抵抗があったわけですが、日税連では検討を重ねたうえで顧問先保護の観点を重視し今回の補償範囲拡大に踏み切りました。
多くの税理士が「保険の補償範囲拡大で、これからは顧問先と腹を割って話ができるようになる」と今回の制度改定を歓迎しています。
総務省の菅義偉大臣が記者会見で、地域間で格差のある地方法人2税(法人住民税、事業税)を見直して、地域間の偏りが比較的小さい地方消費税を地方財源の中心に据える考えを示したことから、財務省内がざわついています。
地方法人2税(総額7.6兆円)は事業所の多い東京都に集中しており、1人あたりの税収は最多の東京と最少の長崎では6.5倍の開きがあります。こうした地域間格差を打開するために、このほど菅総務相が「偏在の低い地方消費税を地方税の主にしていくように年末の税制改正で見直す」と記者会見で発表しました。この考え方がいま財務省内で問題視されています。
地方への税源移譲として、すでに所得税の一部を住民税に移管したことから、消費税まで税収が減ることになりかねない発言に財務省が敏感に反応したわけです。菅総務相の発言について尾身幸次財務相は「1つの提言みたいな考え方を述べられたことは歓迎すべきだ」としたものの「その中身をどうするかということについてはこれからよくしっかりと、総務省との間で相談をし、協議をしていきたいと思っている」と内外に中立的な立場の発言をしました。
一方、財務官僚トップの藤井秀人事務次官は「国は総体として地方よりも極めて厳しい財政状況にある。そういう中で、まずは地方も国と同様の厳しい歳出削減を行っていくことが必要だ」と牽制しています。地方税の体系について、地方法人2税を見直して地方消費税を主としたものに変えることについては「どのような事情でそういう偏在が起こっているのか、具体的な内容の検証がまず必要ではないか」という考えを示しました。


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